[改]BVE用運転台(3次元)をつくるために

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みなさんこんにちは。最近全く更新してませんね…まぁサーバーを移したりはした訳ですけど。

で、今回は、なんか以前適当に投げたまま放置してた記事のリニューアル…的な?感じです。適当に投げてたせいで、読み返してみると何を言いたいのかがいまいち理解できなくなってしまっていたので、とりあえず順序立てて整理しておこうと思います。とかいいつつ今回も主張のはっきりしない文になってしまったわけですけども。

 

まぁ知ってる人は知ってるようなことなので、あくまで「やろうかな~」って思ってる人向けの記事になります。また、一部内容に間違いがある場合があります。その場合には、コメントなどで指摘していただけるとありがたいです。

 

イメージをつくる

イメージは大切です。ここでは、どんな風の運転台を作るかを考えます。想像するだけなら自由です。いろいろと想像してみましょう。

1両丸ごと再現(or入手)

八王子駅 HD300-6

車両1両全部です。これだと「再現」よりも「入手」のほうがハードルが低いかもしれません。まぁ1両丸ごとなんて想像するだけしかできませんよね。実際所有している方もいますが、今回これは見なかったことにします。

1両丸ごと入手したいなら、1億円くらいの資金とコミュ力と運をもって頑張ればなんとかなるかもしれません。

頭部丸々再現(or入手)

並河駅 22-1003

頭部だけです。実車の頭部だけを所有してる個人の方って意外といるんですよね。リアルさを求めつつ、なるべく小さなスペースで欲求を満たすには、これが一番いいかもしれません。

まぁ、これでもおそらく家が建つぐらいのお金がかかっちゃうんでしょうけど、夢はありますよね。少し広めの庭があれば検討の余地はありそうです。

5000万円とコミュ力と運をもって頑張れば…

運転台区画のみ再現

115系運転台

乗務員室全体は無理でも、運転台区画のみならいけそうって方も多いかと思います。

大きさは、小さければ横幅は1m程度、奥行きに2~3m(…?)、高さに2.5~3mくらいですかね。「部屋の片隅に何とか置くことができるかなー」というレベルです。特急車両や非貫通型車両の運転台でこれをやろうとすると、もう少し広いスペースが必要です。

コンパクトにして製作

鉄道博物館 運転体験教室E233系筐体

「さすがにそこまで広いスペースをとれない」という方は、実物の運転台を少しコンパクトにアレンジするといいかもしれません。例えば…

  • マスコンよりも前のみを再現して後ろはオープンにすることで、デスクチェアを使えるようにする
  • 計器を少し小さめにする
  • マスコンユニットをデフォルメする(横幅を狭くする…など)
  • 思い切って一部計器やモニターを省略する

などなど…発想さえあればいろいろできます。

卓上型(コントローラー方式)

電車でGO!山陽新幹線編(PS2)専用コントローラー

「そんなに広いスペースなんてない!」という場合でも、ノートパソコンを置けるくらいのスペースはあるのではないでしょうか?そういう場合は、コントローラー方式がいいのではないでしょうか。

電車でGO! 山陽新幹線編(PS2)専用コントローラーのように、コントロール部と表示部をワンセットにしてノートパソコン程度の大きさに収めてしまいます。そうすれば、必要な時に物置から出してきて机に置いてプレイして、プレイが終わったら物置に片づける…という使い方ができます。

「リアリティ」はキーボードよりかはマシ程度ですが、まぁ操作とかも楽になるとおもいます。

 

予算を決める

イメージを固めて、「作ろう!」と思ったら、まずは予算を作るところから始めます。

もちろん、出せば出すほど良いものになるかとは思いますが、「限られた予算内でうまく工夫して自分なりの最適解を求める」というのも面白さの一つと言えるでしょう。

実車の前頭部分を丸々買うとかいう場合は1000万円以上必要ですが、おそらくほとんどの方はそうではないでしょう。自作の場合は、「これだけあれば十分」というラインが人それぞれになってしまうため一概には言えませんが、最低でも1~2万円、多くとも2~300万円あれば十分ではないかと思います。

 

運転台の構成を考える

「ある形式を再現する!」と考えている方もそうでない方も、とりあえず「操作部分」と「表示部分」をどのようなつくりにするかを考えましょう。

操作部分について

操作部分の作り方は、「実車の部品を使う場合」と、「実物を模して自作する」場合の2つに大別されます。

実車部品を使う

2016年OM公開競売品 205系マスコンユニット

実車の部品を流用する場合は、「前頭部再現」もしくは「運転台部分のみ再現」、「コンパクトに再現」のいずれかになるかと思います。いずれにしても、実車の部品の設置にあたって予め部品の寸法を調べたり、電気配線を調べたりする必要があります。どちらも、入手してから実物を使って調べることもできますが、理想は資料を得ることです。

また、強度計算を特に注意して行う必要があります。ブレーキ弁をはじめとした各種操作機器は非常に重い場合が多いため、強度が不足していると「設置したはいいけどだんだんずれてきた」だとか、「運転中に「バキ!」って鳴った」とかいう事故が発生します。

  • メリット
    • 触り心地がリアル
    • ある程度適当に扱っても壊れない
    • 操作感がリアルな場合が多い
  • デメリット
    • 全体的に重くなりがち
    • 設置場所の強度計算に注意する必要がある
    • 高価な場合が多い
    • 伝手がないと入手が困難な場合がある
    • 経年劣化による故障が発生する可能性がある
    • 改造の必要がある可能性がある

自作する

作りかけの自作マスコンユニット

自作する場合は、場合によっては安く製作することができますが、設計が面倒です。また、ハンドル部分に関して強度をしっかりと持たせないと、操作中に折れる可能性があります。

自作は、どのタイプの運転台でも行う可能性がありますが、一番利益を受けるのは「コントローラータイプ」ではないかと思います。

  • メリット
    • 安く製作できる
    • 製作の自由度が高い
    • 後々改造する際に楽ができる(場合による)
    • オンリーワンの機器となる
  • デメリット
    • 強度を気にしておかないと壊れる可能性がある
    • 操作感の再現が難しい場合がある
    • 作業のための機械の導入が必要な場合がある
    • 求めるクオリティとできたもののクオリティの差にやる気をなくす場合がある
    • 製作を外注すると実車部品を買うよりも高くなる場合がある

 

まぁこんなところでしょうか。ちょうど廃品が大量放出されるときにうまく合えば実車部品を使うことができるでしょうが、おそらく多くの場合は自作となるかと思います。自作の場合は、クオリティの妥協が重要なので、こだわりすぎて製作途中に飽きたりしないように注意する必要がありますね。ちなみに、私は製作がなかなか進めれなかったときにより効率的な製作方法を見つけた結果、強度面のことも考えて展示後は製作中止にしてしまいました…

 

表示部分について

表示部分は実車同様アナログ表示(LED表示を含む)と液晶表示の2通りの方法があります。再現する車両が完全に決まっている場合以外は、汎用性の観点から液晶表示をお勧めします。

アナログ表示(+LED表示)

E231系(常磐快速線) 計器

アナログ表示は、汎用性が非常に低くなってしまうものの、計器に関しては風防さえ手に入れば(もしくは風防を省略して再現すれば)最も安価に再現できる方法になります。方法は簡単。目盛板をプリンターで印刷し、ギアで適切な可動域を設定したサーボモーターにつなげた針を出し、風防を置くだけです。その他の表示器も、部品さえ用意できれば比較的楽に再現が可能です。

実車部品を利用する場合は、速度計などは電圧計としてDAコンバーターを利用して針を動かすようにするだけと簡単ですが、圧力計の場合は内部の配管をすべて撤去したうえでサーボモーターで針を動かすようにする必要があります。(まぁコンプレッサーを用意して実際に圧力を測らせる方法もありますが、BVEとの連動にあたって制御が面倒になるためにお勧めはしません。)

  • メリット
    • アナログ計器採用車両の再現に最適
    • 安価に製作できる場合が多い
    • 電気を通さずとも置くだけで楽しめる
  • デメリット
    • 圧力計は改造難易度が高い
    • 電気に関する知識が必要になる場合がある
    • 汎用性が低い
    • 計器の校正が必要になる場合がある

液晶表示

相鉄11000系 No1表示器

液晶表示は、BVEのPanelの表示のうち、計器周辺を専用の液晶に表示するイメージです。もちろん、実車も液晶表示でその車両の再現をしたい場合はこの方式一択となります。

実車がアナログ計器の場合は、液晶に目盛と針を描画して、風防や表示灯のカバーなどを上から被せる方式にすると、よりリアリティが上がります。(飯田保線区さんの119系運転台はこの方式らしいです。)

実車が液晶表示タイプで、かつ表示装置が手に入ったなんていう人はおそらくそれなりに技術を持っているものと思われますし、そういう人はこんな記事は読んでないと思います。なので、今回はソフトウェアを自ら(もしくは他者に依頼して)製作して、市販の表示装置に表示させる場合を想定します。

  • メリット
    • 汎用性が最も高い(パネルさえ描けばどんな車両の計器でもOK)
    • 装置の交換が容易
    • 液晶をワークスペースとして活用できる
    • 配線が(比較的)楽
  • デメリット
    • 表示装置が高価(モノによる 新品の液晶であれば最低でも1万円は覚悟すべき)
    • パネルの作成に手間がかかる
    • 非通電展示では無表示となる

 

よほどこだわりがない限りは、液晶表示をおすすめします。パネル作成が面倒でも、BVEのウィンドウを下に伸ばして表示させることもできますし、メンテナンスも楽ですし。

番外編 : 実車がいい

やっぱり実車の運転台を丸々切り取って持ってくることができればいいですよね。まぁ置く場所とかメンテナンスとかいろいろ考える必要はありますが。

運転台部分を配線そのままに入手できた場合は、仕様書さえあれば電気系統に関しては改造が楽な場合が多いと思います。まぁ最近のMONだとかのっけた車両の運転台だと通信をさせる関係で色々辛いかもしれませんが、それも(たぶん)仕様書片手に何とかなるでしょう。

問題は空気関係です。空気配管が残っているでしょうから、そこにエアーを通して圧力計を動かしたりするのが「改造」という面では楽ですが、その場合はPLCなどを用いて圧力を制御する必要があり、かなり厳しいかと思います。エアーを通さないにしても、圧力計の電気駆動化およびその配線にかなり手間取るのではないかと思います。

まぁどっかの会社に改造を外注するのが一番楽でしょうね。かなり高いでしょうけど。

 

番外編 : シナリオ表示用液晶について

これに関しては特に書く予定はなかったのですが、念のために書いておきます。

当たり前の話ですが、運転台の規模が大きければ大きいほど、シナリオ表示用の表示装置は大きなものが必要になります。ある程度の大きさまではテレビでの表示が可能ですが、例えば前頭部再現をする場合には、視野を広くとることができるためプロジェクターでの表示も可能になります。

シナリオ表示用の表示装置の配置方法は、以下の4種に大別できるかと思います。

  1. 進路方向一面
  2. 進路方向一面+左右どちらか一面 (合計二面)
  3. 進路方向+左右それぞれ一面 (合計三面)
  4. 円筒面表示 (プロジェクター使用 最低二機)

このほかにも上部や下部への追加でバリエーションが増えていきます。

1番の進路方向一面は、最も安価に表示できる表示方式です。コントローラー方式や、コンパクトに再現をする場合はこの表示方式になるでしょう。運転台区画の再現でこの方式をとると、少し大きめの表示装置を採用しないと視野の狭さに少し不満を感じるかもしれません。

視野の狭さに不満を感じたら、2番のように左、もしくは右に表示装置を追加してみるといいかもしれません。この際、運転席に座った状態から、ベゼルが運転台の柱に重なって見えないようにすると、視界にベゼルが存在することへの違和感がなくなるだけでなく、表示のズレ(線路がまっすぐではなかったり、ストラクチャの瞬間移動があったり)が気になりにくくなります。

運転台区画のみの再現や、前頭部の再現では、二面に配置してもまだ視界が狭いと感じる場合があります。その場合は、もう片側にも表示装置を追加するといいかもしれません。この際、非貫通型車両の場合は「運転台の柱に液晶のベゼルを合わせる」というのが難しいかもしれません。その場合は、思い切ってプロジェクター投影による表示にするか、ベゼルの狭い液晶の採用で妥協するかの選択となるかと思います。ASUSがベゼルをわかりにくくする「Bezel-free Kit」というものの発表をしており、これがテレビサイズにも対応するのであればこれを利用したスリムベゼルテレビ三面もいいかと思いますが、BVEは多画面配置時の液晶角度の個別変更に対応していないため、ストラクチャ角度のズレが気になるかもしれません。

前頭部の再現で広い場所が確保できるのであれば、プロジェクターによる円筒面投影の検討も良いかもしれません。円筒状に配置したスクリーンにプロジェクターで映像を投影するため、線路が不自然にカーブすることになりますが、液晶を斜めに隣接させた時と比べればまだ違和感は少ないと思います(未検証)。

このほか、BVEでは現時点で対応していないと思われますが、球面表示も表示方法の一つといえます。プラネタリウムの天頂を前面方向に向けた感じ…と言えばわかりやすいですかね。

 

実際に作る

ここまでくるとケースバイケースな場合がほとんどなので、これといった選択肢はありません。

まぁ、とりあえず自分なりの製作方法を置いておきます。これが正解というわけではないですし、不適切である可能性もあります。その辺は取捨選択して、自分なりにアレンジして頑張ってみてください。

 

まずは運転台の制御方式を決めます。なるべく安く済ませたいのであればPICやAVRなどを、信頼性を重視するのであればPLCを用いて制御することになるかと思います。

制御方式が決まれば、次は通信方法です。鉄道業界ではRS-485やEthernetが多く使われています(?)が、それにこだわる必要はありません。様々な方式を比較検討して、最もいいと思われる方法で通信させてみましょう。(まぁ信頼性と速度について比較検討した結果上の2つに行き着く場合がほとんどではないかと思いますが。)

通信方法が決まったら、遂に筐体設計です。ここである程度詳細な図面を描いておくと、後々楽になるかもしれません。まぁ細かすぎてミスをしていたら辛いですが。

特に、卓上版やコンパクトな物を作る際は、3D CADを用いた設計をおすすめします。3D CADを用いることで実際の見え方が確認できたり、3Dプリンターがあればそれを用いて縮小版の模型を作ってみることも可能になります。逆に、もう部品の寸法や配置が決定しているのであれば、確認程度に2Dでの製図がいいでしょう。まぁ製図の専門家ではないのでその辺の詳しいことはわかりませんが

筐体設計と並行して、音響についても確認しておきましょう。スピーカーは外部に設置する場合はそこまで気にしなくてもいいですが、内蔵する場合は音がこもったり、周囲の部品と共振して変な音が出たりするので、注意して配置する必要があります。実際に設置してから聞いてみて変に聞こえる場合を考えて、複数の設置場所候補を用意しておいてもいいでしょう。バスシェイカーに関しては最低でも椅子の裏、余裕があれば足元、ハンドル部分に配置すれば十分に振動を感じることができるかと思いますが、実際に所持・使用をしているわけではないため、詳しい効果のほどは不明です。

筐体設計の際に、強度について気にしておくのを忘れないようにしましょう。作ってる間に強度向上をすることもできますが、予め設計しておいたほうが楽なはずです。強度の必要な部分はケチらずに十分な強度を持った材料を使用するようにしましょう。

筐体設計と並行して、(コントローラー部分を自作再現する場合は)コントローラー部分の操作感について考えます。操作部分について、操作感の再現が最も難しい課題ではないかと思います。実車同様カムを用いるのもいいですが、ギアに山形の突起をつけた金属板を押し当ててクリック感を出す方法もあります。また、位置検出については、可変抵抗とADコンバータを利用するのが簡単なんだろうと思います。

あとは専門業者に部品を発注したり、自作したりと製作を進めていきます。

 

 

まぁこんなもんですかねぇ…私自身、運転台を完成まで持っていったことがないので「経験談」ではなくあくまで予想的に書いている部分が多いですが、まぁおそらくこうなんだろうなぁとは思っています。

あくまで自身の知識の再確認程度の記事ですが、「自宅運転台をもちたい!」という方の助けに少しでもなれたら嬉しく思います。

運転台を作るにあたってのアイデアを集めたページはたぶんきっとそのうちおそらく作るかもしれません。

不明点の質問などはお気軽にどうぞ。ではまた。

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Posted by Tetsu Otter